青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
「これからどこか行きたいところあるか?」
ベリーヒルズビレッジを出ると、テンちゃんは腕時計をちらりと見やった。
このまま、デートをするのかな。
そう思うと、鼓動が高鳴る。
「……どこでもいいんですか?」
尋ねると、彼はコクリと頷いた。
なら、行きたいところがある。
前に花菜ちゃんが言っていた………
「一駅先の遊園地がいいです。」
「……そんな近くでいいのか?」
「はい!夜のライトアップが綺麗って有名で…一度行ってみたかったんです。………て、テンちゃんと…」
最後の一言は言おうか迷ったが、結局言ってしまった。
かなり勇気を出したのに、彼の反応が…ない。
テンちゃんの顔色を伺っていると、彼はククッと笑って私の頭に大きな手を乗せた。
「お前、やっぱ可愛いな。」
なっ、可愛いって、何が……!
不意打ちは、心臓に悪い!
紅潮した頬と逸る鼓動を抑えつつ、さっさと駅の方へ行ってしまうテンちゃんを追いかけた。