青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
「彼のご両親に挨拶しに行ったんだってね。残念だけど、それは撤回されてるわよ。蒼介は院長になるために、あなたじゃなくて私を選んだの。」
嘘…嘘だよね……?
そんなわけない…テンちゃんはそんな人じゃない…。
そう思いたいけど、院長になるために星莉さんを選んだと言われると、胸を張って言えなくなる。
彼が院長になるに相応しい相手は、どこをどうとっても私じゃなく、星莉さんだ。
わからない。テンちゃんの考えていることが全然わからない。
今までの好きもキスも全部嘘だとは思えないけれど、一方で納得している自分もいる。
テンちゃんが星莉さんを選ぶのは当然だと、諦めている自分がいる。
「攻略結婚だけど、私はずっと待ってたの。蒼介が私との結婚をやっと決めてくれた。それを今更…あなたなんかに邪魔されたくないわ…。」
ずっと待ってた。そう言った彼女の声音と表情が、星莉さんがテンちゃんをどれだけ想ってきたかを物語っている。
ほらね、テンちゃん。
ただの幼馴染、なんて思っていたのは、テンちゃんの方だけだったんだよ。
あぁでも、気がついていたのかな。
星莉さんの気持ちには。
それに応えようと、やっと決断した時に私が二人の前に現れたんだ、きっと。
そりゃあ、星莉さんも怒るよね。
…なんだ、私こそ〝ただの〟邪魔者じゃない。