青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
「分かっていたのよ。本当に邪魔なのは私だって。…彼のご両親への挨拶が撤回されているのは嘘。婚約者っていうのと、私が蒼介を好きだったのは本当だけど、前者は過去形ね。
私じゃ蒼介を、満足させられないみたい。
本当に、ごめんなさい。」
星莉さんの表情は晴れ晴れしく、どこかすっきりしたようだった。
謝る彼女は、下げていた頭を上げると、私とテンちゃんを見つめ、囁いた。
「…お似合いよ。幸せに、なってね」
星莉さんの口からそんな言葉を聞くなんて、まさかの展開に開いた口が塞がらない。
なのに涙腺は緩んだままで、涙は止まらなかった。
ついさっきまでテンちゃんに二度と会えなくなろうとしていたのに、ほんの数分でこんなどんでん返しがあっていいのだろうか。
星莉さんが泣き笑いで、「ちょっと、もらい泣きしちゃったじゃない」と
言いながら、私とテンちゃんを自分の部屋から見送ったことが、
夢なんじゃないかと頬をつねるよりも確かな、現実を証明する証だった。