青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~


「歩いて帰るの?」

「いえ、電車で帰ろうかと……」

「残念。もう終電行ったぞ」


終電行った!?って今何時!?

驚いて上体を起こして時計をみると、
すでに夜中の一時を回っていた。


うっそでしょ!私ったら、何時間寝てたのよ!


会社を出てからの記憶を辿っていると、
あの時の暖かい柔らかいものは王子だったことがわかり、そこから考えると四時間半は寝ていたらしい。


「も、も、申し訳ありません!!ま、まさかそんなに眠っていたなんて!直ぐに帰ります!本当にすみません!」


驚愕の事実に耐えられず飛び起きていきなり声を出したせいで、目眩と頭痛がした。
うっ、と顔を顰めると

「コラコラ。いきなり起きない。あと三十分で終わるから寝てなさい。」

とテンちゃんに制された。

気持ちと体調は噛み合わない。
いくら帰りたくても申し訳なくても、体調が思わしくないのでもう一度横になる他なかった。


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