青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~



王子の言う通り、三十分で点滴が終わり、今度はゆっくり起き上がると、目眩も頭痛も良くなっていた。
点滴の力は偉大だと感心していると、
私のお腹が、ぐうぅうぅうとなんとも間抜けな音をたてた。

もう!なんてタイミングで!
よりによって、王子がいるところでぇ!


「…腹減ったのか」

「いいえ、減ってません」


見栄っ張りな私は、いくらなんでも苦しすぎる嘘をついてみたけど、王子は意地悪な笑みをうかべてさらりと言った。


「待ってろ。送ってくついでに飯食いに行くか。夜中にやってる店なんて、ラーメン屋くらいしかないと思うけど」


送ってく…って、言いましたか、王子?
いや、いやいや、駄目でしょ。
仕事終わりのこんな夜中に病院後戻りさせちゃったし、その上送ってもらうだなんて、恐れ多すぎて!!さすがに申し訳が立たない!



< 15 / 129 >

この作品をシェア

pagetop