青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~



二人揃っていただきますと手を合わせ、まずはスープからいただく。

やばい。美味しい。美味しい…!
夜中のラーメンってのもあるかもしれないけど、噂通りここの豚骨は世界一だと一口でわかった。


「テンちゃん!!めっちゃ美味しい!」

「うん。美味いな」


興奮して隣の王子…いや、テンちゃんに話しかけると、彼も夢中で食べ進めている。

暖かいスープが胃を潤す。
お腹の底からじわじわ暖かくなるこの感覚を味わったのは、いつぶりだろう。


「はぁ…あったかい…」

「…お前、今まで何食ってたんだよ。てか、どんだけ冷たいとこで過ごしてたんだ」


おもわず心の声をもらすと、テンちゃんが意味深な質問をしてくる。
首を傾げていると、彼は信じられない、という顔で続けた。


「倒れた時、あったかい、ってぼそぼそ言ってたぞ。覚えてないのかよ」

「えぇえ!?」


うそ…王子を前に心の声だだもれ。
恥ずかしいっ!


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