青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
何時間も、寒空の下待たせてしまったからだ。
私の責任でもあるし、ここはもう一晩中看病しなければ。
私の中の使命感が、自然と体を動かした。
冷蔵庫に一枚だけ残っていた冷えピタと、汗を拭うタオルを手に、テンちゃんに駆け寄る。
「冷たいの貼りますね」
言いながらゆっくりと額に貼ると、彼は一瞬ビクッと体を震わせた。
次は…
「動けますか?ベットに真っ直ぐ寝てください」
「――や、ご、ごめん…か、帰るから……」
「だめです。帰せません。」
テンちゃんは体を起こそうとしているのに、腕に全く力が入っていない。
その姿があまりにも弱々しく、私は彼を支えて半ば無理やりベットに寝かせた。
お湯をつけたタオルで首やこめかみ部分を拭いながら、次は何をしようかと思案する。
風邪なら薬を飲んだ方がいいのだけど、もしもこの発熱が、何か持病的なものからきているのなら、市販の薬は容易に使用できない。
「いつも服用しているお薬とか有ります?」
確認をとろうと呼びかけると、彼は自分の胸あたりを抑えた。
思い立って、テンちゃんが着用しているスポーツウェアのチャックをおろし、内ポケットを探ると、予想通り何かの薬が出てきた。