青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
カーテンの隙間から差し込む僅かな光りで目を開けると、目の前で眠る……王子…!?
そ、そうだ。昨日テンちゃんが熱を出して、あ、私ったら病人ほっといて一緒に眠っちゃった…!
寝ぼけていた頭が一気に覚め、慌ててテンちゃんの額に手をやる。
昨日よりだいぶ熱さが和らいだと思う。
呼吸も安定しているし、汗もかいていない。
良かったと息をつくのもそこそこに、時計の針が午前六時を指していて焦る。
テンちゃんを起こさないようにそっと立ち上がり、さっとシャワーを浴びて仕事の支度をしながらお粥を作ってみる。
お米なら辛うじてあったので、数少ない調味料を駆使して具なし粥ができた。
ついでに私も朝ごはんに食べてみると、
うん、悪くない。我ながら上出来だ。
七時には、
『おはようございます。お粥作ったので良ければ食べてください。
鍵をかけてポストに入れておくので、家を出る時取り出して、できれば持っていてください。
父が来た時に忘れていったスウェット用意したのでお風呂にも入ってください』
読み返せば要求ばかりのメモを書き残し、家を出た。