青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
腰から胸……胸から顔…汚らわしい生暖かい手が、次々に私の体を這う。
やめて……誰か、お願い誰か助けて――
静かにぎゅっと目を瞑り、ぽたりと雫が私の手に落ちた。
野々宮さん、こんな思いしてたんだ。
なのに気づいてあげられなかった。
自分が巻き添えになることばかり恐れて、みんなそうだからと気にもかけなかった自分を恨む。
体に鉛が乗っかったように動かず、ただただ目を瞑ってじっとすることしかできない。
拳を握りしめると、服の中に入ってきた。
ブラウスの裾から、汗ばんだ気持ち悪い手が、入ってくる。
足が震えて、心臓は飛び出そうなくらい嫌な音を立てている。
耳元では「みやびちゃん」と何度も囁かれ、その度に背中を冷や汗が伝う。
服を掴まれ、捲り上げられ、ブラの留め具が外され。直に胸を触られる――
ここまでされて何も出来ない焦燥感と恐怖と憎悪。
色んな感情がごちゃ混ぜになり、ついに意識が飛びそうになった時―――