青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~


スーツ姿の男性と女性二人組がいるだけで、カウンターの奥にすら店員さんの姿は見当たらない。
しばし入口に突っ立ったまま店内をぐるりと見回していると、カウンターの奥からエプロンをつけた女性がやってきた。


「いらっしゃいませ!お好きな席……あれ、鳥飼さん?」

ショートカットが良く似合う彼女は、途中で言葉をとめ、私の名を呼ぶ。


「あ、海馬(かいま)さん!」


彼女とは高校三年間同じクラスで仲良くさせてもらっていたが、卒業と同時に疎遠になった。

上京してから地元の友達とは会っていないし、こっちには友達と呼べる人はいない。強いていえば会社の同僚くらいだった。

思わぬ再会に胸を高鳴らせていると、海馬さんは私にカウンター席に座るよう促した。


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