青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
てぃーのとエンジェルウィング病院とマンションを行ったり来たり。
テンちゃんは言った通り忙しいらしく、姉のお見舞いで王子を眺めるだけで我慢しようと目論んだのに、この一週間、一度もお目にかかれなかった。
メッセージもあれからない。
そして今日、私は一週間ぶりの出勤を…したのだけど。
オフィスの扉の前で、かれこれ五分は立ち止まっている。
こんなに休んだことは初めてだったし、休みに入る前王子と並んで歩いている所を見られているし…自分のデスクに座るとセクハラされた時のことをどうしても思い出してしまいそうで。
ドアノブに手をかけては離して……
ふぅぅ。こんな所でうじうじするなんてらしくない。行け、みやび!
緊張で力が入りすぎた。
思い切り開け放ったドアは、バタンッ!と開けた先の壁に激突した。
やってしまった!
反射的に伏せた顔を恐る恐るあげると、全員こちらを向いている……。
その視線にもう一歩を踏み出せないでいると、遠井さんが満面の笑みで手を振るのが見えた。
「鳥飼さ〜ん!おかえり!」
そう声掛けられ、私は歩き出すことができた。
「ねぇ、聞きたいこといっぱいあるんだけど。何から聞こうかしら」
「ただいま」と返しながら席に座ると、待ってましたと言わんばかりに遠井さんは身を乗り出す。