青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
そう言って入ってきたのは、青いスクラブの王子、テンちゃん
こと天ヶ嶋蒼介(あまがしまそうすけ)。
エンジェルウィング病院が誇る神の手を持つ五人の外科医のうちの一人である。
この病院には、日本有数の優秀な外科チームがある。その名は
「五手の神器(ごしゅのじんぎ)」
五手の神器の存在は、院外でも誰もが知るものだが、メンバーの情報は一切明かされていない。
メンバーの名前を知っているのは、それぞれが担当する患者とエンジェルウィング病院の医療従事者のみ。
皆からテンちゃんと呼ばれ、私が密かに青いスクラブの王子、と呼んでいる彼もその一員であり、私が名前を知っている理由は、稜君がテンちゃんと親友だから。
外科医の彼も、たまにこうして姉の様子を見に来てくれる。
姉が入院した日テンちゃんが稜君に会いに来た時から、テンちゃんは私の癒し、青いスクラブの王子となった。