青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
「そんなに不安なら、彼女にしてもらえばいいじゃない。二人の雰囲気、良かったわよ?私、いい歳してにやけがとまらなかったわ。」
花菜ちゃんのにやけがとまらなかったのは、私も知ってるよ。
「テンちゃんね、私のこと…好き…なんだって」
「…………え?…何それ!?もう付き合ってるってこと…!?」
「ううん。好きって言われただけ。私は…気持ち伝えてないし……」
思わずポロリとこぼしたものの、キスをされたことは黙っておく。
口に出すのは恥ずかしいし、花菜ちゃん、発狂しちゃいそう。
そんなことを考えていると、花菜ちゃんがばっと顔を近づけてきた。
「ねぇ、みやびちゃんって、ばか?」
「えっ!?」
ばか?って、そんな面と向かって言われたの、初めて……
「テンちゃん、みやびちゃんのこと好きなのよね。みやびちゃんも、彼のことが好き。あとはみやびちゃんが気持ち伝えれば、その、幼馴染相手でも勝算見えてくるでしょ!」
いつのまにかテンちゃん呼びになっている…。
びしっと人差し指を立てた花菜ちゃんは、博士みたいに得意げだ。
確かに、やっぱり私が告白をして、私とテンちゃんの関係を、彼氏と彼女にするのが一番……って、告白を受け入れてもらう前提で想像してるけど、なんて烏滸がましい。