青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
テンちゃんは車で来ていて、初めて乗る彼の車は緊張した。
助手席に乗せてもらい、彼の運転は驚く程に静かで優しかった。
ゆりかごにでも乗っている気分になっていると、テンちゃんは声を落として言った。
「本当、こんなこと突然頼んでごめん。」
「いいえ。大丈夫ですよ。…高級料亭に行くのには、意外と慣れているんです。心配なのは、高校生と間違われないか、ってとこですね」
「…ありがとう。
みやび、高校生になんか見えない。
いつもより格段と綺麗だよ。直視できない」
嬉しい。気合い入れてきて良かった。
テンちゃんに綺麗だと言われただけで、私の緊張は随分和らいだ。
直視できない、と言った声は小さく、真横の私はなんとか拾うことができたくらい。…それは本気で思ってくれているからだったりして、と期待してしまった。