青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
二人して感傷に浸っていると、突然、背中の方から声がかかった。
「蒼介、待たせたな」
振り返ると、身長差のバランスが良すぎる男女が立っていた。
テンちゃんのお父様とお母様…。
お二人とも、五十代だと聞いていたけれど、とても、そうは見えない。
少なくともマイナス十歳には余裕で見える。
ふぅと静かに深呼吸して、笑顔をつくり「中に入ろう」というお父様方に続き、個室に足を踏み入れた。
座敷に座り、お互い簡単に自己紹介を済ませたところで、料理が運ばれた。
今朝とれたばかりの新鮮な魚、国産の高級牛など、さすがは高級料亭、どれもこれも美味しそうな品々だ。
「蒼介、星莉ちゃんとは結婚しないんだな」
急に口を開いたお父様の口から星莉さんがでてきてドキッとする。
「あぁ。何度も言ってるだろ。星莉はただの幼馴染としか見れない。」
「そうか、わかった。その件は、父さんの方からも言っておく。お前からも、向こうの親父さんに――」
「わかったから。その話はやめよう。今日はみやびが来てくれたんだから」
なんだか、星莉さんとの関係、ただ事ではなさそうですけど、本当に私を紹介してしまっていいんですか。
テンちゃんが途中で止めたとはいえ、星莉さんの話は胸にチクチク刺さる。
気にしてはだめ。今日は私が恋人だと自分に言い聞かせ、胸のざわめきを落ち着かせる。