Sweet break Ⅳ
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『…で、新人君が須賀君の会議資料を?』

社員用のカフェテリアのある4階フロアの一角。

他課との交流や休憩にも使えるフリースペースで、紗季に呼び出されて、仕事の合間のしばしの休憩。

高さのある嵌め込み式の窓からは真っ青な空と、夏特有の弾力がありそうな白い雲のコントラストが美しく広がってる。

『未来君、慣れない資料作成に毎日奮闘してる』
『須賀君も上手いことやったわね。奴も私と一緒で、新人のサポート外れた口なのに』
『え、そうなの?』
『営業1課には今年、営業の新人入って来なかったからね。ま、その分新人がやる予定だった仕事も廻ってきて、逆に忙しいみたいだけど』

窓際には、いくつかの観葉植物が置かれ、その合間に等間隔に置かれたハイテーブル。

敢えて椅子は置かれてないので、紗季は自販機で購入したカップをその上に置き、すぐ横のガラス窓に寄りかかる。

ふんわりしたブラウスにベージュのワイドパンツで、両肘を抱えるようにして窓の外を眺める紗季は、いかにもデキルOLといったいで立ち。

男性の多い職域でも、決して女性を忘れないスタイルが、紗季らしくて格好いい。

『でも新人君もいろいろ大変よね』
『うん、もちろん私も、未来君の負担が重くならないように気を付けてるけどね』
『違うわよ、もう一人の同期の子があれじゃ、いろいろ比べられるだろうって話』
『もう一人の同期って…落合さんのこと?』

持っていたアイスティーを一口飲むと、紗季の隣に同じように並んで立つ。

背中にあたるガラスが微かにヒンヤリして、気持ちが良い。
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