Sweet break Ⅳ
『そういえば病み上がりなのに、大丈夫?…疲れたよね?』

彼女に問えば、意外にも、まんま素直な感想が返ってきた。

『…正直、少しだけ。でも平気です』
『ごめんね。こんな時間まで手伝わせて』
『いえ、体調はホントにもう大丈夫なので気にしないでください。それに、簑島君のミスは他人事では無いので…』

言いながら途中だった自販機のボタンを押し、受取口からジッパーのついたフルーツのグミ菓子を取り出しながら、何故か言い訳のように『同期ですから』と付け加える。

『そっか…何だか、そういうのって良いね』
『…良い?』
『あ、ほら私の場合、同期ってあの関君だからね。こんな風に助けられることはあっても、私が関君を助けることなんて無いから。…って、そもそも庶務の私に、何が出来るんだって話もあるけど』

そう自嘲すると、こちらは入口から二つ目の飲料用の自販機で、本来の目的であった未来君の為のブラックコーヒーを購入する。

つい自然に口から零れ落ちた本音は、真実だけれど、優秀な彼女を前にして随分情けないものだったと少し後悔した。

『倉沢さん…それは違います』
『ん?』
『助けること無いないて、そんなことないですよ』

商品受け取り口から珈琲を取り出し立ち上がると、いつになく真剣な顔の落合さんが、真っすぐに私を見据えていた。
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