カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~


「純正黒蜜あんみつに、宇治抹茶パフェ……どれも美味しそう。あ、茶そばやおばんざいランチメニューもあるんですね」

「はい。和食だけでなく、抹茶を練り込んだ冷やしパスタやピザも用意しておりますよ」


 和風にアレンジした洋食も楽しめるお店らしい。どれも食べたくて迷う。

 わぁ、一人前の小さな茶鍋もあるんだ。やっぱり洋食より和食に惹かれるけれど、ここはオススメされていた甘味を頼んでみたいな。

 ワクワクしながら真剣に注文を悩んでいると、目の前の彼はその姿をじっと見て、にこやかにしている。

 結局、“こだわりきなこと濃厚黒蜜のわらび餅”を頼んだ私は、作りたてのとろとろ食感を味わった。今まで食べたどのわらび餅よりも美味しくて、感動する。

 食後に贅沢な甘味の余韻に浸っていると、千里さんが従業員に声をかけている間、店主がお辞儀をしながら歩み寄ってきた。


「どうでしたか、我が店の甘味は」

「とても美味しかったです。他のメニューも気になって、会計横のお土産コーナーで“最中詰め合わせ”まで買ってしまいました」

「ははは、ありがとうございます。美澄さんから聞いていた通りですね」

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