カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~


 そういえば、外食に行く時は決まって和食も洋食も豊富に選べる店へ連れて行ってくれていた気がする。和カフェだってそうだ。

 好きな食べ物はなに?と聞かれて用意してくれるのも嬉しいが、こっそりリサーチして準備してくれていたのだと思うと、余計に嬉しく感じる。

 豪華な食事に舌鼓を打ち、窓から見える景色に思いを馳せていたそのとき、ちらりと腕時計を見やった彼が小さく呟く。


「そろそろかな」


 きょとんとして見つめていると、たくましい腕が肩に回された。軽く引き寄せられてドキリとする。


「なんですか?」

「窓の外、見てて」


 言われるがまま空を見上げていると、数秒後、なんの変哲もなかった夜空が一変した。

 数えきれないほどの光の玉が打ち上がり、ドン!という大きな音が響いて火の花が咲く。雲ひとつない夜闇に、色とりどりの光が輝いて散った。

 すごい、綺麗……!

 あれって、花火?こんな間近で見れるなんて。

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