カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~
ただ、お茶に誘ってくれただけ?
正直、直接的な関わりがないため話題が見つからずに気まずい。
「千里とは仲良くやっているのですか?」
沈黙を破ったのは、その言葉だった。
幼なじみとして気になるのだろうか。随分と不躾な質問だが、顔に出さないように答える。
「はい、えぇと……喧嘩はしません」
「千里は優しいものね。どんなワガママでも聞いてくれるし、滅多に怒らないし。昔から周りに好かれる人だったわ」
そうなんだ。学生時代の千里さんを想像したことはなかったが、包容力があってエスコート上手な彼は、相当人気があったんだろうな。
ぼんやりと考えていると、美冬さんはティーカップを置いて続けた。
「おふたりは政略結婚だとききましたけど、桃さんは、いま幸せですか?」
「はい。幸せです」
迷いなく答える。
初めは、結婚相手すら自分で決められないなんて不幸だと思っていた。
でも、今なら見合い相手が千里さんでよかったと思える。