カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~
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「桃!朝帰りなんて聞いていないわよ。今後は軽率な行動は控えなさい。今回は見逃すとしても、友人との付き合いは考えなさいね」


 翌日、家に帰ると鬼の形相をした母が待ち構えていた。

 優子が根回しをしてくれたおかげで、友人の家に泊まったという嘘をつけた。母に「ウチに泊まる」と電話で伝えたのは、友人を装った優子の妹である。

 彼とは、バーと同じビルに入っているホテルで一夜を共にした。

 高級なマットレスにふたり分の体重が沈む感覚と、体験したことのない甘い触れ合いは、今思い出してもぞくぞくする。

 センリさんは、どこまでも優しかった。

 体が目当てだったのかと思いきや、最中は大事に触れて気づかってくれた。バーでの会話から男性経験がないと察したのか、それなりに手加減をしてくれたらしい。

 本当に、夢みたいな夜だった。

 体じゅうに口づけを落とされて、いっぱいいっぱいで気にする余裕もなかったが、家に帰ってシャワーを浴びるときに確認すると、キスマークはひとつもなかった。

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