カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~


「レンタルか……その事業にも力を入れてみようかな」

「お店の経営方針を変えられるんですか?」

「これでも、いずれは美澄屋の経営を引き継ぐ立場だからさ。いろんな事業に挑戦したいんだよ。時代に合わせて、美澄屋を残していかなくてはならないからね」


 無意識に箸を止めて考え込んでいる様子に、つい頰が緩む。

 美澄屋の未来を見据えた発言からは、本気で家業に向き合っている真剣さがうかがえた。


「千里さんって、実は真面目なんですね」

「実は、って含みのある言い方だね」

「ふふ、ごめんなさい。さっきもお店で従業員の方とお話ししている姿を見て、そう感じました。今までは女性を口説くのに慣れた悪い大人だと思っていたので」

「ひどいな。軽い奴じゃないって前にも言っただろ?俺は、惚れた女性には一途な男だよ」


 涼しげな二重の目と視線が合った。

 色香を宿した眼差しに心臓が鳴り出す。まるで私を好きになったとでも暗に伝えているようだ。

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