カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~
「千里。二週間後の日曜の茶会、都合がついたんでしょう?近くに寄る用事があったから、話したいと思って」
「その件か。ちょうど新しい事業の打ち合わせが落ち着いたから、例年通り参加させてもらうよ」
話を聞けば、この時期に染森家が主催する茶会があり、毎年美澄家も招待されているらしい。顔馴染み以外も多くのゲストが集まる恒例行事は、規模もそれなりに大きいのだろう。
「そうだ。桃さんも一緒にどうかしら」
「私ですか?」
予想外のセリフに、目を見開く。
「えぇ。美澄屋のお得意さまも多くいらっしゃるし、千里の婚約者なら、ぜひいらしてほしいわ。顔を広めるいい機会だろうし」
ちゃんとした茶会に参加するのは初めてだ。
美澄屋をひいきにしている方たちが集まるのなら、一度は顔を見せるべきなのだろうが、私がお邪魔しても良いのだろうか。
隣を見上げると、千里さんは優しげな眼差しを向けている。
「桃が茶会に興味あるなら、作法は俺が教えるよ。得意先にも挨拶をしたいと思っていたし、いい機会かもしれない。それに、一緒に参加すれば安心だろう?」