カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~
「ごめんなさい。帯だけ手伝ってもらってもいい?」
おずおずとそう告げると、鳴海くんは「失礼します」と返事をして入ってきた。
帯を私の腰にあてた彼は、慣れた手つきで締めていく。
「苦しかったら言ってくださいね」
「うん。大丈夫だよ、ありがとう」
少し緊張しながら身を任せていると、背中から無意識に漏れたような声が耳に届いた。
「美澄さんって、こうやってプレゼントとかするタイプなんですね。女性にはモテてるけど、いつも営業スマイルで軽く受け流してるし、結構淡白なイメージだったので意外です」
そうなんだ。
バーで会ったセンリさんの印象が強くて、女遊びに慣れた男性なのかと思っていたけど、知れば知るほど最初のイメージと違う人なんだな。
「プライベートの美澄さんって、どんな感じなんですか?ベタ惚れで、好き好き言われたりとか?」
「まさか。普段お店にいるときとあんまり変わらないかな。お互い忙しいから、ふたりで出かけたりもしないし」