カラダから始まる政略結婚~一夜限りのはずが、若旦那と夫婦の契りを交わしました~


「なにか話した?変なことされてないよね」

「されていませんよ。ただ普通に帯を締めてもらっただけです。話といえば、千里さんのお話を少ししました」

「俺?」

「はい。私と千里さんは夫婦っぽくないと言われました。その……お互い愛し合っているとは思えないって」


 つい、ぽろりと口にする。

 これは、あまり言わない方が良かったかな。政略結婚のボロを突いてしまった気分になる。気分を悪くしたかもしれない。

 しかし、不安になる一方で、彼は視線を逸らさずにさらりと告げる。


「なにそれ。自分の妻を愛していない旦那がどこにいるの」


 不意打ちのセリフに体が固まる。

 今、なんて?

 背中に腕が回り、ギュッと抱きしめられた。肩口にすり寄るように頬を寄せられ、耳元で低い声がささやかれる。


「次、鳴海に会ったら言っておいて。下心のない着付けだとしても、知らないところでお前に触られて妬くくらいには、桃を惚れてるって」


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