旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
「私、朝から美容院に行って大変だったんです。でも、相馬さんにお世話になったからと思って頑張ったのに、わけのわからない冗談で振り回さないでください」


 ただでさえメンタルがどん底まで落ちているのだから、余計なことに巻き込まないで。


「今日の七瀬、本当にきれいだよ」


 私は怒っているのに、彼はうっとりしたような視線を注ぎ、甘い言葉をささやく。


「あ、ありがとうございます」


 なんだか調子が狂う。
 会社ではこんなことを口にする人ではないのに。


「それに、冗談じゃない。帰国してからひっきりなしに見合い話が舞い込んできてうんざりしてるんだ。それもビジネス絡みばかり。ビジネスのために結婚してうまくいかなかったらどうするつもりなんだ」


 眉をひそめる彼は、小さくため息をついている。

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