悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く～破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます～ ２

　皇妃レオンティーナ。まだ、レオンティーナが皇帝一族に嫁ぐとは決まっていないのに、あまりにも不遜な言葉だ。その名を口にした時、レオンティーナの声は震えた。
　レオンティーナの方に手を伸ばしかけ、そしてヴィルヘルムの手が下に落ちる。レオンティーナに触れるのを怖がっているようだった。

「――それで？」
「私が処刑台に上り、首が斬り落とされた――と思った直後、目が覚めたんです。処刑された時は二十歳を過ぎていたのに、目が覚めた時には八歳でした。私は、私の未来を夢に見ていたんです。バルダート大公家の娘として皇族に嫁ぎ、国を亡ぼすという未来を」
「長い夢を見ていたと？」
「ただの夢だったと言われればそうなのかもしれません。でも、その夢はあまりにも生々しく……私はそれを神の意志だと思ったのです。もしかしたら、この先何が起こるのかを、神が夢で見せたのではないか、と」

　養護施設に視察に赴いたら、捕らえられている間に世話をしてくれた娘を発見した。
　恩返しのつもりで彼女を引き取ったら、今度はアルニム熱が発生した。先に何が起こるのか知っていたから、その解決方法を知ることができた。