悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
グラナック博士の招致についても、そこから先、マレイモの栽培に手を貸したことも。
「母上の病気を治したのも、マレイモの栽培方法を確立したのも、夢の知識のおかげか?」
ヴィルヘルムに問われ、こくりとうなずく。夢の知識があったからこそ、レオンティーナはここまで来ることができた。
「――それで? 続きは」
レオンティーナに先を促す彼の声は、とても低いけれど優しい。身体の前で組み合わせた手をもう一度握りしめてから、レオンティーナは続けた。
「私の知っている最悪の未来は回避された……と思います。おそらく事態は私の手を離れたのでしょう――だからこそ、恐ろしいと思うのです。次に何が起こるのか、どうやったら回避できるのか……私には、わからないから。これ以上の不幸は見たくないのに、どうしたらいいかわからないんです」
「――馬鹿だな、君は」
ヴィルヘルムが、こちらへと大きく踏み出す。あっと思った次の瞬間には、背中にヴィルヘルムの腕が回されていた。
「もっと早く言ってくれればよかったのに」
「私のこと……不気味だと思わないのですか?」
「母上の病気を治したのも、マレイモの栽培方法を確立したのも、夢の知識のおかげか?」
ヴィルヘルムに問われ、こくりとうなずく。夢の知識があったからこそ、レオンティーナはここまで来ることができた。
「――それで? 続きは」
レオンティーナに先を促す彼の声は、とても低いけれど優しい。身体の前で組み合わせた手をもう一度握りしめてから、レオンティーナは続けた。
「私の知っている最悪の未来は回避された……と思います。おそらく事態は私の手を離れたのでしょう――だからこそ、恐ろしいと思うのです。次に何が起こるのか、どうやったら回避できるのか……私には、わからないから。これ以上の不幸は見たくないのに、どうしたらいいかわからないんです」
「――馬鹿だな、君は」
ヴィルヘルムが、こちらへと大きく踏み出す。あっと思った次の瞬間には、背中にヴィルヘルムの腕が回されていた。
「もっと早く言ってくれればよかったのに」
「私のこと……不気味だと思わないのですか?」