悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 早くここからファブリスを連れ出そうとしているのだろうか。ルイーザはいつもよりも足早に四阿を去る。彼女と並んで歩くファブリスもまた、こちらを振り返ろうとはしなかった。

「わ、私も……これを返してきます!」

 箒を抱えたソニアが走り去り、残されたレオンティーナとヴィルヘルムは顔を見合わせた。
 ファブリスは、なんとも、つかみどころのない人だ。
 あんなことをされたのに、素直な謝罪の言葉が出てきたからか、レオンティーナ自身、恐怖は完全に消え失せている。

「ルイーザが迷惑をかけた」
「そうですね。少し怖かったですが、あの方の考えることが見えた気もします」

 彼は言った。血筋のよい妃が欲しいと。
 たしかに、レオンティーナならば適任だろう。三大大公家の者ならば、ヴァスロア帝国の皇帝一族と近しい関係にある。

「……ご自分の後ろ盾になる妻が欲しい、そのために私だったのですね。皇女様を外国に嫁がせるわけにはいかないでしょうし」

 皇女が外国に嫁いだ例はないとは言わないが、今のヴァスロア帝国にわざわざ国外へ皇女を嫁がせる理由もない。

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