悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「ついでですからね! ヴィルヘルム様、マレイモの収穫状況を確認してから戻りましょう――まだ、やることは山積みですもの。その前に、怪我人の手当てをしなくては」
「そうだな。アンドレアス、そちらの後始末は任せてもいいか」
「……わかった」

 ハルディール夫人の件については、レオンティーナが口を挟めることではない。アンドレアスが、どんな結論を出すのかはわからないけれど……少しでも、いい方向に変化すればいいと思う。
 ザリロッド王国から来た使者達については、怪我人は屋敷で手当てを行う。無傷の者は、今回の顛(てん)末(まつ)を国に報告し、対応について協議させることになるだろう。

「ヴィルヘルム様、そこ、切れています」

 レオンティーナが指さしたのは、袖だった。わずかに血がにじんでいる。レオンティーナに指摘され、袖を見たヴィルヘルムは目を見開いた。

「――切れている、な」
「今は、興奮状態だから気づかないかもしれませんけれど、たぶん、もう少ししたら痛くなると思いますよ」
「それは困る。今のうちに手当てしておこう」

 屋敷の中はばたばたとしていた。ふたりのことは、誰も見向きもしない。
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