お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
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晴臣が届けてくれたカードキーを使って彼のマンションに帰ってきたものの、夕食をどうしたらいいものか果歩は悩んでいた。
材料は買ってきたが、彼に聞かずに勝手にキッチンを使って作ったら、それこそ彼女気取りだと思われる可能性がある。
「帰ってくるのを待つしかないよね……」
ひとりごちてソファにちょこんと腰を下ろす。手持無沙汰でテーブルに置いてあったインテリア系の雑誌を手に取った。
ぺらぺらとめくっていくと、ナナセファニチャーの文字が目に入り、その次に代表取締役社長の肩書きで晴臣の写真が載っているページに出くわした。〝次世代の新鋭デザイナー〟と大きなキャプションが躍っている。
インタビュー形式でデザインについて語る彼の言葉は、穏やかなのに静かなる闘志みたいなものを感じ、読んでいるだけで胸が熱くなる。
雑誌にも取り上げられるような男が、果歩とどうこうなるはずがないのだ。こういうものを目にすると、やはり昨夜のキスに意味はないのだと思うしかなく、鉛を飲み込んだように心が重くなった。
その雑誌を元の場所に戻し、宅地建物取引主任者の勉強をしようと思い立つ。