お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

「果歩さんはなに飲む?」
「あ、では……コーヒーにします」


無難にお願いする。
晴臣は通りがかったラウンジのスタッフを呼び止め、コーヒーをふたつ注文した。

(……さてと、どうしよう。いつ言いだそう)

賑やかな文代がいれば気も紛れるが、初対面の男性といきなりふたりきりにされ、嫌でも緊張する。
とはいえ、その方が彼にお願いをしやすい面もある。なにしろ手放しで喜ばれるようなものではないから。


「果歩さんも無理やりここへ来させられた?」


〝も〟ということは、やはり彼もそうなのだろう。文代の〝押せ押せ論法〟に負け、仕方なしにここへ来たに違いない。


「はい、じつはそうなんです。どうしても紹介したい素敵な人がいるのと」
「俺も同じ」


晴臣がくすりと笑う。
なんて優雅な笑顔だろう。彼の周りだけ空気がふわっとやわらかくなった気がした。
直視していられずに視線をべつの方へ向けたら、少し離れたテーブルに座る若い女性ふたりが晴臣を見て目を輝かせていた。
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