お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
(そうだよね、そうなっちゃうよね……)
女性たちの気持ちは痛いほどわかる。だからこそ文代が果歩を素敵な女性だと紹介していたのかと思うと、肩身がとても狭い。実際に会って、彼が幻滅したのは言うまでもないだろう。
晴臣は、もっと美しい女性を紹介されて当然の男。果歩では友達候補のラインナップにも入れてもらえないのではないか。
(そんな人に頼んでも平気かな……。全面的に拒否される可能性もあるだろうな)
でも、このタイミングを逃したら後がない。果歩は突き進むしかないのだ。
「お待たせいたしました」
ラウンジのスタッフがテーブルにコーヒーをふたつ置くや否や、果歩はふたりの真ん中に置かれたシュガートレイに手を伸ばした。
「七瀬さん、お砂糖は?」
「え? ……あ、じゃ、ひとつもらおうかな」
わずかに目を見張ってから、晴臣が人差し指を一本立てて答える。
トレイにピラミッドのごとく積まれた角砂糖を小さなトングでひとつ摘まみ、果歩は彼のコーヒーカップに落とした。