お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「ありがとう」
お礼の言葉に笑みで答え、自分のカップにもひとつ入れてくるくるとスプーンでかき混ぜる。これから口にしようとしている言葉が果歩を尻込みさせるため、気持ちを落ち着かせるためにひと口飲んだ。
(大丈夫、きっと大丈夫だから)
コトッと小さな音を立ててカップをソーサーに置く。
「七瀬さん」
膝の上に両手を重ね、彼を真っすぐに見た。
まさかこれから果歩がとんでもないお願いをするとは想像もしていないだろう。晴臣は、波のない湖面のように穏やかで静かな微笑みを浮かべている。
果歩は息を軽く吸い、意を決した。
「私と結婚してください」
ひと思いに言いきった。言わなければならない言葉は、それただひとつ。
瞬間、晴臣はカップを手にしたままフリーズし、目を点にして果歩を見る。まさに鳩が豆鉄砲を食ったような顔といったらいいのか。
「お願いします」