お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

◇◇◇◇◇

それから数日、果歩は鬱々とした毎日を過ごしていた。

どうやって調べたのか、果歩のスマートフォンに幸人から入る着信のせいだった。ひとり暮らしをしていたアパートや職場を突き止めたのだから、そのくらい容易いのかもしれない。


『七瀬晴臣と結婚できると思ってるのか?』
『早く決断しないとアイツに直接話しに行くよ?』


何度も投げかけられる同じ言葉が果歩を苦しめていた。
晴臣が結婚を考えていないのは、お見合いのときに果歩が逆プロポーズをしたときに彼が言った言葉からもよくわかっている。

『結婚も今は考えていない』

晴臣はたしかにそう言っていた。

雑誌でたまに取り上げられる晴臣を見るにつけ、こんな立派な人と自分が恋人でいいのかと、迷う気持ちも日が経つごとに募っていった。
好きだけではどうにもならないことがあるのも、二十八歳にもなれば知っている。

それなのに晴臣は日を追うごとに果歩を甘やかし、温室のような優しさから抜け出す勇気をどんどん奪っていく。

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