お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
朝は荒原不動産まで果歩を送り届け、帰りは晴臣が迎えに来られないときには手配されたハイヤーで帰る毎日。休日は朝から晩までべったり過ごし、果歩が求める以上の愛で応えてくれる。
このままずっと一緒にいたい。
そう思うのとは逆に、晴臣を幸人から守りたいのとで、どうにもならない葛藤の中にいた。
幸人が再び果歩の前に現れたのは、迎えにくると連絡をくれた晴臣を荒原不動産の前で待っているときのことだった。
「もしかして俺を待っててくれた?」
どうしたらそう自分に都合よくとれるのか不思議でならない。片手をポケットに突っ込み、ニマニマと笑いながら幸人が近づいてくる。
果歩はじりっと後退りをしたが、いきなり間合いを詰めた幸人に引き寄せられた。
「会いたかったよ、果歩」
「やっ、やめて!」
通行人がいようがお構いなしの幸人の胸を強く押しやる。思いのほか強い力だったため、幸人の体がぐらりと揺れた。
たくさんの人の目があるから安心というのは、たぶん幸人には通用しない。なにをされるかという恐怖に数歩下がって身構える。