お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「果歩ちゃん!」
ふと名前を呼ばれて振り返ると、果歩と一緒に会社を出たはずの文代が鬼の形相でそこに立っていた。つかつかと歩み寄り、果歩の前に立ちはだかる。
「あなた、この前うちに来たわよね? 果歩ちゃんになんの用事?」
「おばさんには関係ない話」
文代の登場でもまったく怯んだ様子がない。幸人は肩を揺らしてククッと笑った。
「んまぁ失礼ね! おばさんだなんて、あなたに言われたくないわ」
「文代さん!」
思わず彼女の洋服を掴んで制する。ここで幸人と妙な言い合いになり、文代に危害でも加えられたら堪らない。
「なにを言ってるの、果歩ちゃん。あの人、ここ最近ずっとこの辺りをウロチョロしてたのは知ってるのよ? 果歩ちゃんに付きまとってるでしょう?」
文代に気づかれているとは思わなかった。