お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
彼女の言うように、幸人は昼間にもドアから中をうかがうようにしていることがあり、何度となく嫌な思いをさせられてきた。
「昔の知り合いだかなんだか知らないけど、これ以上果歩ちゃんになにかしたら私が許さないわよ」
通り過ぎていく人たちが、何事かと好奇の目を向けていく。それでも文代は怯まず幸人の前に進み出た。
文代がこんなにも頼もしいなんて果歩は知らない。
「あぁもう、おばさんは関係ないんだから引っ込んでくれる?」
馬鹿にしたような口ぶりで幸人が一歩足を踏み出したときだった。彼の背後から近づいた人物が、彼の腕を捻り上げて羽交い絞めにする。瞬間、幸人の口から「くっ……」と短い呻き声が漏れた。
晴臣だったのだ。
「ハルくん! もうっ、すいぶん待たせるじゃないの!」
「すみません、道路が少し混んでいたもので。果歩、ごめんね」
彼の顔を見て、全身から力が抜けていく。