お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「おまっ、なんだよ!」
「それはこっちのセリフ。今日はそう簡単に許さないから覚悟をした方がいい」
アパートで待ち伏せをしていた幸人と対峙したときのように、晴臣は容赦がなかった。幸人を押さえる力も手加減なしで締め上げる。
「おばさん、ちょっと中を貸してもらえる?」
晴臣は荒原不動産をチラッと横目で見た。営業の終わった店に入れてくれというのだろう。
文代はドアのカギを開けて、果歩たちを中に招き入れた。
小さな応接セットに幸人を座らせ、その向かいに晴臣が悠然と腰を下ろす。幸人の目がどこか怯えるように見えるのは気のせいか。再会してからギラついた目をしていたが、今はなりをひそめている。
果歩はそこから少し離れたところで文代に肩を抱かれて立ったまま様子を見ていた。
「ずいぶんと多額の借金を抱え込んだものだね」
(えっ、借金!?)
晴臣の言葉に驚かされる。お金にルーズな男だったが、果歩と付き合っていた頃は借金にまで手を出すほどではなかった。