お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
果歩は畳み掛けるようにしてテーブルにつくほど頭を下げた。
「ちょっと待って。まずは顔を上げようか」
彼の言葉の端々から戸惑いを感じるが、ここで引き下がるわけにはいかない。そのままの体勢でいたら「ほんとに上げてくれる?」と困ったように言われ、従う以外になかった。
「じつは、ここへは断るつもりで来たんだ」
「それは重々承知しています」
果歩だってそのつもりだった。文代に強引に連れ出されただけ。うっかり承諾してしまったのがきっかけだ。
「結婚も今は考えていない」
そうだとしても、ここはすごすごと退散できない。
「それでもお願いします。結婚は本当じゃなくていいんです。結婚相手として演技をしてくださればそれで」
「……え?」
彼の表情に当惑が色濃く滲んでいく。