悪役令嬢には甘い言葉は通じない。



「わあ……!!」



賑やかな声やテンポのいいリズムを元に生まれる音楽達、それに楽しそうな笑い声。


カボチャで作られたランタンが綺麗に並べられた街は、どこもかしこもキラキラ輝いていた。



「これが……街、なのね」


「しかもハロウィンナイトが開催されている、素敵な街さ」



キーナや侍女達が今日という日を楽しみにしていたのが、この光景を見れば一目瞭然だった。


こんな素敵なお祭りに仕事のせいで行けないというのは、酷な話になってしまうわね。



「降りてみようか」



その質問に強く頷いて見せると、ルーベルトは笑いながら翼を羽ばたかせた。


人の気配のない路地裏にそっと降ろされると、うずうずする私を宥めるようにルーベルトは腕を取った。


距離感がさっきからずっと近いというのに、どうしてこんなに安心感ばかりが沸いて出てくるのか不思議でたまらない。



「迷子になったら大変だからね。それとーー」



じっとルーベルトを見つめていると何やらゴソゴソと動いていると思いきや、どこからか取り出したのか目元が隠れるような仮面を私に付けてきた。










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