北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
 天井との境目の迫るような傾斜、貼り替えた壁紙の淡いストライプ。
 この家は、なにもしないことで維持していたときには、淋しくなっていく一方だった。
 でも凛乃といっしょに、そのときの想いに合わせて変えていくことで、居心地のいい時間が増えていった。
「女なら、るね。男なら」
「あ、だめ」
 自分から聞いておいて、凛乃は返す途中の累の口をキスでふさいだ。累は凛乃の指が肩に食い込むのに合わせて、追い打ちをかける。
「だめじゃないでしょ。気持ちよくて、うれしくて、家族が増えて、いいことしかない」
「真面目」
 笑いを漏らす凛乃を抱いて激しく揺れ始める累の耳には、もう鈴の音さえ聞こえなかった。
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恋愛(ラブコメ)233ページ

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間借り家政婦の毎日はまるで、懐かない猫とのシェアハウス。  傷ついた心は癒えるけど、近づくことはできない。   弱ってたら誰かにすがりたくなるのは当然。     でもそれは恋じゃない。     恋じゃないはず。     恋であってはいけないはず。     なのにどうしてあなたに惹かれるんだろう。     御曹司じゃない。社長でもない。     ドSじゃないし、ツンもない。    猫が棲む家で、いっしょに暮らそう。      

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