別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
「え? 大丈夫です。すぐそこなので抱っこして帰れますから」

「荷物もあるし湊斗くん抱っこしながらだと大変だろう?」

丁重にお断りしたけれど、岬オーナーは歩みを止めない。店の前に車を回してソファーで寝ていた湊斗を抱き上げて店の玄関へと向かい出した。

「本当になにからなにまですみません」

「俺がしたくてしてるだけだから、気にしないで」

後部座席に湊斗を乗せ終わると、岬オーナーは私を助手席へとエスコートしてくれた。どこまでも紳士的で優しくて頭が上がらない。

「めったに駄々をこねたりしないんですけど、今日に限ってあんな風になって。まだまだ子育ては分からないことだらけです」

「凛子ちゃんはひとりでちゃんと湊斗くんのことを育てているから偉いよ。自分を卑下しちゃだめだよ」

「両親に助けてもらってるのがすごく大きいです。私ひとりだとここまでできてないと思います。岬オーナーにも本当に感謝してます」

車を走らせて数分。実家が見えてきた。家の前まで送ってもらうのはなんだか気が引けて、すぐ近くの公園で下ろしてもらおうと誘導して公園の駐車場に車を停めてもらった。
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