14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
家に戻ると、竜夜が手伝い夕飯の準備をしたリラ。
愛人は部屋にこもって何かを見ていた。
愛人が見ていたのはスケッチブックだった。
その中には、綺麗な女性の似顔絵がたくさん書かれていた。
女性の似顔絵に横には「ベルリラ」と書かれている。
「ベルリラ…」
書かれている名前に、愛人は何かを感じた…。
8年前。
どこか判らない空間で、愛人はベルリラと言う女性と結ばれた。
あの出来事は夢だと思っていた。
目が覚めたら自分の部屋にいて、ちゃんとパジャマを着ていた。
夢だから…あの人には二度と会えない…。
そう思っていた愛人。
夢から1年以上経過するくらいの時。
深夜のベリーヒルズビレッジを歩いていると、時計台に何か置かれているのが目に入った愛人。
近づいてい見ると、段ボールの中に赤ちゃんが入れられていた。
可愛いブルーのベビー服にお揃いの、ブルーの帽子をかぶっている赤ちゃんは、どこか不思議な感じがして愛人の胸がキュンとなった。
寒い冬の中。
冷え切っている赤ちゃんを抱いていると、この子を離したくないと愛人は思った。
とりあえず、後々何かあってはいけないと思った愛人は警察に届けを出した。
赤ちゃんの身元がハッキリするまで、預からせてもらう事になり、そのまま家に連れて帰った愛人。
その頃の愛人は、レジデンスには住んでおらず駅から10分程離れた場所にある実家に住んでいた。
突然赤ちゃんを連れて帰って来た愛人に、萌も麗美も驚くばかりだったが、愛人は1人で赤ちゃんの世話をすると言って萌にも麗美にも触らせてくれなかった。
仕事中は無認可の託児所にお願いして。
赤ちゃんを連れてきてから1週間後には、2人で生活をすると言ってレジデンスをキャッシュで購入してしまった愛人。
しばらくの間は慣れない子育てに、てんやわんやしていた愛人だったが。
慣れてくると、時間もスムーズに取れるようになり。
赤ちゃんもすっかり馴染んでいた。
捜索を出して1ヵ月しても赤ちゃんの身内は判明せず。
それなら愛人が引き取ると言い出して、手続きをしてしまった。
色々と審査が厳しく、赤ちゃんを正式に引き取れたのは3ヶ月後だった。
正式に愛人の子供として認められ、赤ちゃんの名前を「竜夜」と名付けた。
顔立ちもしっかりしていて、綺麗な美男子の竜夜は託児所でも人気者だった。
3歳になると保育園に通うようになった竜夜は、周りの子よりとてもしっかりしていて泣く事もなく保育園に行っていた。
熱を出した時は、愛人が仕事を休んで看病していた。