五年越しの、君にキス。

「それで、今日のランチは何がいい?」

にこやかに笑って首を傾げた伊祥が、私にそう尋ねてくる。

「私は何でもいい」

何を思ってかは知らないけれど、伊祥はランチタイムになると、毎日のように柳屋茶園まで私を誘いにやってくる。

伊祥のオフィスも同じベリーヒルズビレッジの敷地内にあるから気軽に立ち寄りやすいんだろうけど。

同じ家に住んでいて、基本的には朝晩毎日一緒に食事を摂っているのに、昼休みも私と一緒に食事を摂るためにわざわざ出向いてくるなんて……

よっぽど暇なのか、一緒にお昼を食べてくれる同僚がいなくて寂しいかのどっちかなのだろう。

「何でもいいって、一番困るやつ」

「そんなこと言うけど、いつも私に決定権なんてないじゃない」

「そうだっけ?」

しかめ面を崩さない私を見ながら、伊祥がわざとらしく肩をすくめる。

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