五年越しの、君にキス。
「そうでしょ。昨日はデザートにぜんざいとあんみつが食べられるうどん屋さん。一昨日は、五穀米が選べる和定食。その前は、蕎麦屋のあとに抹茶ドリンクとアイスのお店。私に何が食べたいか聞くくせに、最終的に入る店を決めるのはいつも伊祥じゃない」
私に意見を求めるわりに、最終判断でそれはあまり取り入れられない。
そういうところも、学生時代から変わらない。
「そっか。じゃあ、今日は寿司にする?」
「お、寿司?」
「ここのモールの寿司屋、すごく美味いよ」
「知ってる」
たしかに、ベリーヒルズ・モールの中には有名な高級寿司屋がある。
だけど昼間からお寿司食べるって。それはまた、随分と贅沢だ。
伊祥と暮らし始めるまでは、お昼にお弁当を持ってきていた私にとって、毎日外食する最近の生活は贅沢極まりない。
伊祥にとっては普通なのかもしれないけど、お昼から高級寿司をいただくのはちょっと気後れする。