箱崎桃にはヒミツがある
すると、なるほど、長身黒髪、イケメンの若い医師が現れた。
……もう駄目だ、と桃は凍りつく。
これだけの美形。しかも、お医者様。
頭もいいに違いない。
天がひとりの人間に二物も三物も与えてくれるはずはない。
この人はヤブだ……と決めつけ、桃は気を失いそうになった。
そのとき、母親くらいの歳のやり手そうな歯科衛生士からカルテを受け取った、イケメン歯科医が言ってきた。
「お前が箱崎桃か」
初診の患者に呼びかけるのに、あるまじき口調だった。
……もう駄目だ、と桃は凍りつく。
これだけの美形。しかも、お医者様。
頭もいいに違いない。
天がひとりの人間に二物も三物も与えてくれるはずはない。
この人はヤブだ……と決めつけ、桃は気を失いそうになった。
そのとき、母親くらいの歳のやり手そうな歯科衛生士からカルテを受け取った、イケメン歯科医が言ってきた。
「お前が箱崎桃か」
初診の患者に呼びかけるのに、あるまじき口調だった。