ライオン王子に飼われたネコさん。
銀が仕事から帰ってきた。
予め帰って来る時間を聞いていたものの猫の姿で待つ事に決め、なるべく土下座に近い形で玄関マットの上に座っていた。
「マシロちゃん、お迎えは嬉しいけどこんなとこでいると風邪ひくよ?」
抱き上げられそうになるのを瞬時に察知して躱し、脱衣所の方へ走り、急いで人間になって扉を閉め、黒のスウェットの上下を着る。
そして、扉の前で待っていた銀とご対面。
「えっと、猫のマシロちゃんは……?」
戸惑ったように当たりをキョロキョロと見渡す銀。
彼は聡い。
脱衣所に入り込んだはずの白猫がいなくなっていること。友人から預かった猫がその友人の彼女の名前と同じこと。
そして、連絡が途絶えたはずの真白がいること。
とっくに答えには辿り着いているが、その答えがあまりに奇想天外すぎて信じ難いだけで。
「猫のマシロが七瀬真白だったんです」
真白の答えは自身の答えと一致していて、銀は頭を抱えるのだった。