ライオン王子に飼われたネコさん。
髪の毛を乾かし終えた頃、ちょうど銀からメッセージが来ていたことに気づき、そしてそのタイミングでインターホンが鳴った。

(早く渡してあげないとね。)

キャットタワーから高みの見物をしていたルナに頭の中で囁かれる。

「銀ちゃん仕事ですもんね」

いくら早めに出ていても、往復時間を考えればギリギリかもしれない。慌ててルームキーを持って玄関に向かった。


この瞬間、真白はいつもなら絶対にしないミスを三つも犯していた。


一つ。
ルナに唆されて慌てた行動をとったこと。

二つ。
いつ怜音が来るか分からないためマシロのマンションは基本的に家族しか来ない。怜音のマンションも同じで桃坂と銀くらいしか見たことがない。だからエントランスから呼び出されることはなく、呼び出されるとしたらインターフォンしかなかった。

故に、今、エントランスではなく部屋のインターフォンが鳴ったことに少しの違和感も持たなかったこと。


三つ。
其の二つが合わさったこと、銀からの連絡、マンションのセキュリティ、いろんなことが合わさって、玄関前にいるのが銀だと信じて疑わなかったことだ。


ルナは真白の背を優美な笑みで見つめていた。


ガチャリ。

「はい、銀ちゃん、こ、れ」
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