ライオン王子に飼われたネコさん。

猫さんは気づいた


「来ちゃった」

一度許可を得た魔女紅羽は今回は勝手に入ってきた。
不法侵入だが、家主でもなければ人間でもないマシロには何もいえない。

「ど〜う?二時間で足りた?」

(伸ばせるんですか?)

これは交渉の余地ありかと希望を抱き、寝転がっていた姿勢からきちんと座る。

「私が魔法を使ってなければ伸ばせるけど〜。明日からは真白ちゃんになるから無理ね。魔力消費が激しすぎるもの」

なーんだ、とマシロはやさぐれたようにまた寝転がった。

(紅羽さん、お店はいいんですか?)

「休業よ、休業!今は本業に専念しなくっちゃね!」

まさかバーの女店主が副業で魔女が本業だったとは数日前の真白には分かるまい。

(じゃあ今日は何しに来たんですか?)

「昨日怜音ちゃんとどうすごしたのかなぁと思って」

ニコニコと楽しそうにソファに寝そべる紅羽は指をクルクル回だかと思えば、机の上に突如スナック菓子やジュースが現れた。

(……何もありませんよ。)

「その間はなんかあった間よねぇ」

ニヤリと笑う紅羽に図星を突かる。

正直、冷やかされることがわかっているので話したくないのだが。

これまでも怜音のことを話すのも、相談するのも決まって紅羽だった。

女子っていうのは好きな人のことは喋りたくなってしまう生き物だと真白はつくづく思う。

(聞いて貰えますか!!)
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